三年間ほど使っていた128GBのUSBフラッシュメモリーが、
まったく認識されなくなってしまった。
撮影後にばたばたしながら電源供給してHDDにバックアップを取るよりも、
片付けながら簡単にバックアップを作る為に、
当時は、まだかなり高額な気もしたが購入したものだった。
手のひらに収まって、持ち運びも楽だし、
電源が無くてもバックアップを作る事が出来るので
とても重宝していた。
ウサインボルトをジャマイカで撮影した時
朝の6時までジャマイカの屋外パーティーを撮った直後に、
NY経由で帰国する時は、さすがに警察犬のお世話になるかも知れないと
オリジナルのRAWファイルを記録したその小さなUSBメモリーを
編集の吉田さんに渡して「何かあったらこれで。。」とひやひやしながら
JFK空港を歩いたのは、いい想い出である。
そんな想い出深い小さな黒いUSBメモリーが、
なんの前触れもなく役立たずなゴミになってしまった。
フラッシュメモリーで、以前から気になっていた事があった。
いつかは、必ず壊れると言われるメモリーだが、
内部に使っているパーツがSLCチップかMLCチップによって、
書き込み回数の寿命が異なるらしい。
幸いなことに、今回のメモリーが壊れたことでの
バックアップしていないデータの消失は免れたが、
そのチップの違いを急に意識することになった。
もちろん詳しいことはわからないが、
ネットで調べると、MLCチップが1万回、SLCは10万回などと書いてある。
一万回なんて使わねえしと言いたいところだが、
よく考えると、何をもって書き込み回数をカウントするかは疑問だが
一万枚の写真データの書き込みは確かにやっている。
というわけで、気になっていたSLCチップを採用していると自社で謳っている
Lexar CFカード 32GB 1000倍速 UDMA7を購入してみた。
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by iPhone 漫画カメラ |
現在、日本のカメラマンの中で最も評判がいいとされる
SanDiskのExtremeProのCFカードと対決して頂いた。
ちなみにSanDiskの製品がSLCチップを採用しているかどうかは、
ネット上での決定的なページは見つける事が出来なかった。
まずは、フリーソフトのXbenchでディスクスピード検証。
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カードリーダーはSanDiskのFW800タイプ クリックで拡大 |
そして、Nikon D800でシングル刺しで、RAWデータのみで
15枚連射して、バッファの枚数がデフォルトの16枚表示に戻るまでの
時間を計測した。
(速度の遅いカードではデフォルトのバッファ枚数は15枚になる)
レキサーは約9.5秒
サンディスクは約12.5秒
ベンチテストの細かい数字の意味までは理解しかねるが、
レキサーのほうが、テストを終えるスピード自体が早かった。
そしてカメラのテストでは、バッファ枚数が戻るスピード自体が
レキサーのほうがかなり早い感じだった。
たかが数秒の差だが、現場では一枚押せるか押せないかの差は
絶対的に大きい。
SLCチップ採用で、バッファの復帰が最も早いということは、
価格以外では、選択肢がないということである。
きちんと同梱されるべきImageRescueというデータ復旧ソフトの
シリアルナンバーの用紙も入っており、無事にアクティブ可する事も出来た。
現状ではおそらく世界最速クラスのCFカードを手に入れたようである。
(気をつけなければいけないのは、ダブルスロットルの片方に
SanDiskExtremeProの32GBSDカードを入れた同時記録の場合、
カメラのバッファーの戻りは遅くなった。
つまり、この最速カードの実力を発揮するには、
サブにはjpg保存にするか、一枚刺しが望ましいだろう。)
ちょうど、世界最高のアスリートの撮影依頼も頂いた。
バッファ復帰中のライトに文句を言わずにすむかどうか楽しみである。