先週7月8日に北八ヶ岳の白駒の池の奥にあるもののけの森に写真を撮りに出かけた。
昨年は天気が良すぎで気分が乗らず、雪の残る時期には途中までしか車で入ることが出来ずに断念していた。なるべく天候が移り変わり光の状況が変わる平日を狙いたかったので梅雨のこの時期雨があがったので軽トラを走らせた。
道中に広がる八千穂高原の日本一といわれる白樺林を楽しんで、国道299号線の脇にあるガラガラの白駒の池有料駐車場で500円を支払い車を停めトイレで100円の使用料を投函して用をたしゴアテックスのパーカのポケットにコンビニで調達したおにぎり二つと携帯を入れて、パンツの尻ポケットには小型の伸縮式の簡単な3脚と財布。カメラはSIGMAのDP2MとDP3Mをクロスにたすき掛けにしてパンツの前ポケットには予備の電池を8個、足元は山梨ではデフォルトの履きなれた長靴、防水のキャップは長い髪が風で流されたり木にひっかっかって目に入るのを防ぐためだ。『手ぶら』というのは写真撮影の一つのテクニックだと思っている。
駐車場から約10分ほどの白駒の池までの道も見事な森に包まれている。今回はもののけの森が目当てなので湖畔に続く道の途中の看板で左に入って青苔荘方面に向かいキャンプ場で水とお茶を買い喫煙所で一服する。もちろんコンビニよりは割高な値段だがこういう場所でお金を払う瞬間にこそホットな情報が手に入ることが多い。奥から出てきたマダムは『今はもののけの森の手前のヤマネの森の苔も綺麗だよ』と教えてくれた。雲の動きが早く光の状況が刻一刻と移り変わりシャッターごとに樹々の緑や苔のライティングを変えてくれる。
昨年は三脚を持参しなかったので日が陰った状況では高感度に弱いSIGMAでは思うように狙えなかったが、今回は他の観光客がほとんどいないのをいいことに木製の小さな歩道に心細い三脚をたててのんびり撮影を進めた。
どうしても写真を撮っていると視覚ばかりに夢中になっていまうので、ひと段落したところで、深呼吸をしながら、どこかに潜んでいるかもしれないもののけ姫やナウシカの気配を探りながらおにぎりランチをする。別に何も食べなくても撮影は進められるが、時間が許せば、気分転換をして、日の角度が変わるのを待ち、視覚以外の何かを感じて後半戦に臨むのも悪くない。
カメラから手を離すと、急に静けさが感じられて少し怖くなる。
一人で原生林の中に佇むと、ひとり旅の寂しさや情けなさやスリリングな思いとは少し違った細胞の中身が何かを感じているような不思議な気分になる。
山に囲まれた地域は平地に比べて暗くなるのが早い。カメラのバッテリーがぎりぎりになったので、白樺林に寄り道撮影をすることを考えて早めに駐車場に戻った。
Softbankの携帯は圏外ぎみでトイレは有料だったりするが国道駐車場からのアクセスも20分ほど、山登りが苦手な方も味わえる日本3大原生林のひとつ。秋になれば国道沿いの真っ赤な山にそびえる白樺と、白駒の池に映る紅葉も貸しボートで楽しむこともできる。
お時間ある方は是非。
ナウシカかもののけ姫がいたらよろしくお伝えください。
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