9.09.2012

フレスコジクレー

昨日、所属している日本広告写真家協会APAが定期的に行っている
カメラマン自身による写真の上映会に参加した。
大先輩の小島由紀夫さんがその際に見せてくれた
小さなインクジェットプリントにドキッとした。
フレスコジクレーという、漆喰をインクジェット用の紙にしたものだった。
なんともいえないテクスチャーと物質としての存在感を感じて、
すぐに試してみたくなった。

新宿のヨドバシで在庫を確認して、先ほどテストパックを持ち帰った。
慌ててテストしたために、マットブラックに差し替えるのを忘れてしまい、
4枚しか入ってないのに、一枚を無駄にしてしまった。

写真やデータの入った丁寧な解説を読み直し、
手差しで慎重にプリントしてみたが、
正直なところ、かなり手強い。
まず、インクの滲みがかなり出てしまうようである。
もちろん湿度やロットの状況もあるだろうが、
開封してすぐにプリントしているにもかかわらず
これだけ滲むのには驚いた。
しかも乾燥して色が落ち着くまでにかなり時間もかかる。
推奨プリンターがPX5Vであるのも、少し気になるところである。

1996年に初めて見たミケランジェロの漆喰の天井画の写真を、
ひさしぶりに引っ張りだした。
そして、約500年の時を経て、再び漆喰のインクジェットペーパーに定着させた。
不便なことはいいことだ。
しばらくは写真ルネサンスで遊べそうである。

オリジナル:Hasselblad500CM 80mm 開放 1/125 ISO400ネガ
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