3.09.2012

ハロー&グッバイ

近頃、携帯にしろ、デジタルカメラにしろ、買ったものを、
長い間慈しむことがめっきり減ってしまったようで、なんとももったいない。
資源もエネルギーも限られた、この宇宙船地球号で、
このまま、こんな状況で大丈夫なんだろうか?

そんな仙人のようなことを問答してみても、
悔しいかな、、カメラを買い換えたくなってしまった・・
約20年間、連れ添ったキャノンのカメラとも今夜でお別れになりそうである。
35ミリのカメラ一式を一夫多妻するほどの甲斐性はない。
むしろ、使っていただける方のもとに嫁いだほうが本望だろう。
次なる相棒として狙っているのはニコン D800Eと、SIGMAである。

ニコンのD800Eは、発表された瞬間に買うと決めた。
画素数的にハッセルHの予備機としても充分使えそうだということと、
Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDという
非常に優れたワイドレンズがラインアップされていることが大きい。
大きな声では言えないが、開発者が予算に糸目をつけずに作ってしまったものが、
生産が許可されることになってガッツポーズをしたらしい。
カメラレンズの世界には、時々こうして世の中に出現する優れたワイドレンズがある。
ビオゴン、ホロゴンなどという怪物のような名前が与えられるのも、
開発の怨念がやどっているような気さえする。
ハッセルのビオゴンと4×5のリンホフビオゴンにより、
随分昔にかけられて弱っていた魔法が、このワイドレンズのせいで復活してしまった。
ニコンというパフォーマンスの優れた3600万画素一眼レフボディと
このレンズの組み合わせが、
アクティブなランドスケープ撮影において無敵となるのは間違いないだろう。
(このズームレンズは、既にNASA御用達である)

キャノンも相次いで、新型を投入している。
ボディ・ソフトに関しての熟成度は素晴らしい。
ニコンに乗り換える私が言うのも変な話だが、
トップ2のボディであればフィーリングと慣れた時の使い心地・感触は、
キャノンの方が上回っているかもしれない。
ただ、残念なことに今のキャノンには魔法が感じられない。

Nikon D800Eの発売は少し遅れるだろう。よくあることである。
新型カメラの発売後すぐに手をだすことなどなかったが、
今回の魔法の力は、かなり大きい。
ただ、仕事をするのに刀が無くては始まらないことを、写真の女神も理解してくれている。
魔法の力でもうじき手元に届くことになるだろう。


そして、もう一人、気になるやつがいる。
今日発売になったSIGMA SD1 Merrillである。
実写ギャラリーを見ると、やはり素晴らしい。
近景と人物にはとてつもなく素直でシャープな絵である。
ただ、なぜかあまりワイドを使っていない。
かなり厳しいロケだったと思われるが、
遠景の空と稜線の描写を選定していないのは気になるところである。
SIGMAのタイアップブログを見ると、
遠景がかなりの割合で少し収差を感じる甘さが出ている。
Merrillの新型ボディではないにしても、おそらく中身はほとんど同じはずである。
これを見てしまうと、これから発売される最適化された単焦点レンズを搭載された
コンパクトなDPシリーズ Merrillの写りが大変気になるところである。
キャノン一式と共に、旧型のDP-2も嫁いで頂くことにした。
SIGMAのカメラは、かなりのあばれ馬である。
最高に熟成されたサラブレッドを手放して、
気分転換するには最高のダークホースであると思っている。


そもそもカメラなどというものは、簡単便利なんかじゃなくていいのである。
むしろ、簡単便利を備えた時点で、間違いなく何かを失うと思っている。

ハロー&グッバイ!

いままで、ありがとう
また、いつか・・・
iPhone4