小淵沢アジトでの暮らしも一年がすぎた。当初、泣きそうだった寒さも、経験と慣れでなんとかしのげるようになってきた。大晦日、いつもこの日はなぜか一年を通じて社会に対してぼんやり感じていたことがいろいろと頭をよぎる。
つい先月、小淵沢IC出口脇にあったスーパーマーケットのヤマトが倒産した。23時まで営業していたおかげで東京と山梨を行ったり来たりする一人暮らしの独身には心強い味方だったが、突然入り口に貼られた弁護士の冷たい文言が書かれたA4一枚の紙越しの薄暗い店内にそのまま野菜が山積みにされている光景はとても悲しいものだった。小淵沢には新しく改装されたJRの駅はあってもスーパーらしいお店は他になく、もはやインフラとも思えるレベルだった。誰が考えても地域住民や卸売業者への影響はとても大きなものだったはずなのに、あっさりと消滅してしまった。おかげで買い物は時間とガソリン代をかけて隣の街まで出かけなければいけなくなってしまった。現実はなかなか『陸王』のようにはいかないようだ。銀行や政治の力はほんとうに及ばなかったんだろうか。。
先日、将棋電王戦でAIが人間に勝利する番組を見た。なんとそのAIはすでにプロ棋士の戦いを数千年分繰り返しているらしい。知の経験が力となる分野においては、もはやジェダイですら敵うことはないのかもしれない。資本主義を支える株式取引にもすでに大手の証券会社はAIを導入していてすでに人工知能の性能比べになっている感は否めない。もはや個人のトレーダーが手動でマネーゲームをする時代も終わりだろう。
AIが進化することで、おそらく多くの局面でロボットを使って人間の労働とその喜びを奪うことになるだろう。いままで個人が享受してきた労働には対価があったわけで、それをマクロで吸い上げる関連企業がますます力を得ることになるだろう。資本主義とは基本的に格差を生み出す構造であるのは仕方のないことだが、個人の小さな営みにおける喜びまで奪うものであってはならないと思う。一部の企業に属する人間以外がすべて消費者になってしまう世の中に向かう超格差的資本主義ならば、今のうちに早く捨ててしまうべきだ。
とはいえ、目に見えない大きな力が働いているのは、きっといつの時代も同じだったのかもしれない。結局『愉しく生きる』しかないとの思いに至るのも大晦日だ。
『中山達也写真店』に並べた写真からの『富嶽三十六景2017』
続々と新作が入荷します。お時間あるときにお立ち寄りください。
クリックでフルスクリーン推奨
二十八歳で飛び込んだ写真の世界もすでに二十五年が経過した。
元気に走れるうちに少し減速して愉しく折り返す時だ。
みなさま、どうぞよいお年を!!
12.15.2017
北千里浜@九州・九重
山梨に住んで時間があれば山を走り回っているにもかかわらず、忘れた頃に夢の中に出てくる不思議な山の景色があった。草木も無い岩だらけの山々とその谷間の大きな岩が転がる道だ。どこの国なのかもわからないような不思議な記憶だ。ふとしたきっかけでどうやら子供の頃に兄がバイトをしていた故郷・九州の九重法華院温泉山荘に行った時の記憶であることがわかった。ネットで探しあてた目的地『北千里浜』を目指す相棒は、もちろん悪友の幼馴染同級生画家・田口順二だ。車での長者原ビジターセンターまでの往路に、小倉駅の裏で止まっているところを観光バスに接触されておっさん二人で言葉を失うというハプニングのおかげで日没と同時に山小屋に到着した。窓越しに輝く明るい月の光で温泉につかり、襖一枚越しに耳に飛び込んでくる山マダム達の深夜3時頃まで続いたおしゃべりに怒鳴る気持ちを抑えながらの山小屋泊となった。早朝は雲に覆われていたが日が高くなるとともに空は晴れ渡った。いやなことがあればいいことは必ずあるものだ。山荘の間を抜けて裏山を登りきったところで、記憶の片隅にあった岩山が姿を現した。同時にふっと鼻の奥に感じた硫黄の匂いが岩にマークされた黄色の道しるべと繋がってもう一つの記憶が蘇った。約40年前は九重全体が硫黄の匂いがとてもきつくて、この黄色い道しるべのペイントは溢れ出る硫黄で描いていると思い込んでいたことだ。近年は硫黄の匂いが減ったせいか草が生えるようになったらしい。視覚と嗅覚と記憶が活性化されて、息を切らしていたことなど吹っ飛んでしまった。最近ギャラリー気分で始めた『中山達也写真店』にこの原風景ともいえる山の写真を並べておきたかった。約30分、この広い『北千里浜』を走り回って撮影した。相棒の同級生画家も絵の具を取り出し飲んでいたミネラルウォーターで溶かしながらあっというまにスケッチを描きあげてじっとその絵を見ていた。
水を含んだ黒い火山灰がぬるぬるの粘土となって靴のソールに張り付き何度か尻もちをつきながらもなんとか下山、小倉に戻り同級生達とまる二日間飲む酒はなんともたまらずうまかったのは言うまでもない。
いつも眺めている南アルプスを上空から見るために今回は飛行機で九州入りして、帰りは京都に立ち寄った。さっそく写真店に並べたので、お時間ある時に、ぜひ!
↓
中山達也写真店
水を含んだ黒い火山灰がぬるぬるの粘土となって靴のソールに張り付き何度か尻もちをつきながらもなんとか下山、小倉に戻り同級生達とまる二日間飲む酒はなんともたまらずうまかったのは言うまでもない。
いつも眺めている南アルプスを上空から見るために今回は飛行機で九州入りして、帰りは京都に立ち寄った。さっそく写真店に並べたので、お時間ある時に、ぜひ!
↓
中山達也写真店
9.16.2017
富士見高原『創造の森』登山道
冬はスキー場、夏は一面お花畑となる富士見高原リゾートの山の上には、世界各地の作家による石の彫刻が点在する『創造の森』がある。そこには高山植物のガーデンと3箇所の展望台があり、富士山・南アルプス・北アルプスの眺望を楽しむことができる。通常は商業施設ということもあり、スキー場のリフトか自動運転のカートを使って有料でアクセスすることになるが、営業時間外にこそ美味しい写真が撮れるわけで、リフトとカートを使わずにたどり着くためにいろいろと検索したところ登山道があるということはわかったもののその内容についてあまり詳しく書いているページが見つからなかったので、紅葉と冬を目前にして自分の足で確認してきた。せっかくの土曜日だが冷たい雨が降ってきたので、ここに記しておくことにする。
富士見高原リゾートの麓の『鹿の湯』の駐車場に車を止めて、SIGMAのMerrill2台をたすきにかけていつものように小型のバッテリーを10個ポケットにねじ込み寒さ対策で長袖のフリースを腰に巻いて手ぶらで奥に続く道へと歩いた。『創造の森』にはトイレと自動販売機はあるのでガムを口に放り込み舗装された道を10分ほど歩くと左側に登山道入り口と思われる砂利道が現れた。
そのリゾートっぽい優しい表記とは裏腹にそこから見上げたのは、とんでもない傾斜のつるつるに滑りそうな山道だった。看板表記は30分になっているが急な斜面を手ぶらにもかかわらず息をきらしながら用心深く登り10数分でなんとか到着した。鹿やイノシシを防ぐための鎖をかけられた門扉の開閉をして、展望台の一つ『望岳の丘』にたどり着く。
問題は下りだった。用心しながら腰を低くして歩を進めていたにもかかわらず、下ろした足が一瞬つるんとすべり、上半身がのけぞりながらかろうじて曲がったまま残った片足の感触を頼りにカメラを持った両手をばたばたさせながら思考がいきなりスローモーションになった。『やば!こんなとこでマトリックスごっこでキアヌ・リーブスみたいなポーズとって、後ろの石に頭ぶつけて人知れず逝っちゃうのかよ〜きっつ〜背骨がふんばりきれずに折れるかも!』なんとかこうして生還してブログを書いているが、しばらくはその場で、背骨や神経がおかしくなっていないか体をあちこちひねったり触ったり、登山靴のビブラムソールの溝の具合を確かめたりと、かなりひやっとした経験だった。同時に、神経や脳の働きが致命的な瞬間に処理能力が超高速になるために相対的に時間がスローになるような感覚も味わった。
アイゼンをつけてピッケル装備の冬山である程度の傾斜になると後ろ向きに三点支持で下っていくことの意味がよくわかった。
ロングのリフト2本分を一気に登るこの道のことが、まるであまりおすすめしないような空気感でネット上に出ていなかったわけが少し理解できた気がした。槍ヶ岳の岩場をクリアするよりもある意味恐ろしいと思える経験をしたのは幸いだったかもしれない。さっそくアイゼンをいろいろと探すことになりそうだ。もし、同じ道を通ることになったら、なるべく草の生えている両脇を歩いて慎重すぎるくらいに両足の荷重を確認しながら、くれぐれもご安全に!!もし普通のスニーカーやソールに溝のない靴の場合は問答無用でリゾート正面からリフトかカートでのアクセスをおすすめする。
というわけで『創造の森』
アクセスはアレだが、富士を見る高原の名に恥じないとても気持ちのいい場所だ。
クリックでフルスクリーン推奨
富士見高原リゾートの麓の『鹿の湯』の駐車場に車を止めて、SIGMAのMerrill2台をたすきにかけていつものように小型のバッテリーを10個ポケットにねじ込み寒さ対策で長袖のフリースを腰に巻いて手ぶらで奥に続く道へと歩いた。『創造の森』にはトイレと自動販売機はあるのでガムを口に放り込み舗装された道を10分ほど歩くと左側に登山道入り口と思われる砂利道が現れた。
iPhone |
そのリゾートっぽい優しい表記とは裏腹にそこから見上げたのは、とんでもない傾斜のつるつるに滑りそうな山道だった。看板表記は30分になっているが急な斜面を手ぶらにもかかわらず息をきらしながら用心深く登り10数分でなんとか到着した。鹿やイノシシを防ぐための鎖をかけられた門扉の開閉をして、展望台の一つ『望岳の丘』にたどり着く。
問題は下りだった。用心しながら腰を低くして歩を進めていたにもかかわらず、下ろした足が一瞬つるんとすべり、上半身がのけぞりながらかろうじて曲がったまま残った片足の感触を頼りにカメラを持った両手をばたばたさせながら思考がいきなりスローモーションになった。『やば!こんなとこでマトリックスごっこでキアヌ・リーブスみたいなポーズとって、後ろの石に頭ぶつけて人知れず逝っちゃうのかよ〜きっつ〜背骨がふんばりきれずに折れるかも!』なんとかこうして生還してブログを書いているが、しばらくはその場で、背骨や神経がおかしくなっていないか体をあちこちひねったり触ったり、登山靴のビブラムソールの溝の具合を確かめたりと、かなりひやっとした経験だった。同時に、神経や脳の働きが致命的な瞬間に処理能力が超高速になるために相対的に時間がスローになるような感覚も味わった。
写真ではわかりにくいが、ほぼ真下に向けて撮っている感覚 乾いているように見える場所も実は表面だけで すぐ下は練りたての粘土状態 iPhone |
アイゼンをつけてピッケル装備の冬山である程度の傾斜になると後ろ向きに三点支持で下っていくことの意味がよくわかった。
ロングのリフト2本分を一気に登るこの道のことが、まるであまりおすすめしないような空気感でネット上に出ていなかったわけが少し理解できた気がした。槍ヶ岳の岩場をクリアするよりもある意味恐ろしいと思える経験をしたのは幸いだったかもしれない。さっそくアイゼンをいろいろと探すことになりそうだ。もし、同じ道を通ることになったら、なるべく草の生えている両脇を歩いて慎重すぎるくらいに両足の荷重を確認しながら、くれぐれもご安全に!!もし普通のスニーカーやソールに溝のない靴の場合は問答無用でリゾート正面からリフトかカートでのアクセスをおすすめする。
というわけで『創造の森』
アクセスはアレだが、富士を見る高原の名に恥じないとても気持ちのいい場所だ。
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今年はとにかくとんぼが多くて、なぜかあまり逃げないやつが多い。とんぼが集まっている場所に3分ほどじっとしていればそんなに頑張らなくてもすぐに指にとまってくれる。『いつも車でぶつかってごめん、一族にお伝えください』と念じている。 |
9.04.2017
2017晩夏 雑感
★ようやく秋らしい夕暮れになってきた。
春から夏にかけて、霞のせいで抜けが悪かった空気も少しずつクリアーになって山々がはっきりと見えるようになってくる。そして毎回違う美しい夕焼けをたくさん拝むことができる。田舎に住んでいると、四季折々で清少納言の残した言葉が悔しいほどに身にしみる。一方で、春先に爆発的な緑に包まれていた山や森を魔法のように紅葉で赤く染める自然の圧倒的な『どんでん』のエネルギーに怖さすら感じてしまう。
写真はクリックでフルスクリーン推奨
★昼間、木漏れ日に包まれ、清流の音に包まれていた気持いい河原が、日が沈んだ途端、気配が豹変する。暗くなって視界を遮られ、川の流れの轟音によって聴覚を奪われ外界の情報が激減する。心地よかった川のせせらぎは、闇夜の魔界の岩門が開く轟音にとってかわり、きらきらと輝いていた岩の隙間から目をぎらぎらさせたもののけがこちらの様子を伺っているように見えてくる。ほんとうは満天の星空や月明かりで照らされたランドスケープも撮影したい気持ちはやまやまなんだが、どうも日没後の単独行はいまだに苦手だ。
★八ヶ岳連峰の山道を歩いていると『フジバカマ』という控えめな、、というより割と地味な花がまとまって咲いていることがあるが、そこには『アサギマダラ』という蝶がひらひらと舞っていることが多い。望遠レンズにスイッチしてカメラのファインダーで覗くと半透明の羽の色がなんとも言えない薄い青緑色で、『ナウシカ』が空を飛ぶ時に着ている服の色を連想させるのでこの蝶のことを勝手にナウシカと名付けたが、少し調べると、人の気配がしてもあまり逃げないこの蝶は、その優雅な飛び方とのんきな感じとは裏腹にとんでもなく長距離をさすらう蝶らしい。鳥のように激しい羽音を出すオオムラサキがたくましく飛ぶために花の蜜ではエネルギーが足りないのでカブトムシを蹴散らしながら樹液を吸うようになったというのに道中の休憩ポイント?の八ヶ岳でこんなにかわいい花の蜜をちょろちょろ吸ってるだけで、音もしないようにスケスケの羽をふわふわさせながら沖縄から佐渡島まで飛んでしまうなどとはとても思えない不思議なやつだった。そして、一体どうやって、北生まれか南生まれかによって旅をする方角をきちんと把握し、約4、5ヶ月の一生をかけて一度の旅をするローンレンジャーな種族がうまいこと途絶えることなく存続しているのか、想像もつかない。
★2台所有しているクリップオンのリングストロボがゾンビの撮影で酷使しすぎたせいか寿命を迎えそうでこのところ不調なので代替機を探していたらその後継機種SUNPAK auto16R proが最弱パワーで閃光時間が6万分の1秒というスペックを見て速攻でゲットした。(現在はすでに生産中止)大型のストロボでも6万分の1秒と謳っている機種は見たことがない印象でさっそく川に持っていった。出力を最弱の1/256にして仕方なくカメラをびちょびちょに濡らしながら撮影したものを部屋に戻りモニターで確認したら、予想どおりピタリと激しい川の流れも水しぶきも止まっていた。どのカットもアクリルのオブジェのようだった。
こんなおもしろい武器があるなら、当然、キッチンの流しもすぐにスタジオとなる。流しの底に黒いお盆をおいて水道の蛇口をひねる。あとは『止まれ』と念じながらシャッターを押すだけだ。さすがに流し4面銀レフが効きすぎてなんだかよくわからないが、ま、のんびり作戦を練るとしよう。
春から夏にかけて、霞のせいで抜けが悪かった空気も少しずつクリアーになって山々がはっきりと見えるようになってくる。そして毎回違う美しい夕焼けをたくさん拝むことができる。田舎に住んでいると、四季折々で清少納言の残した言葉が悔しいほどに身にしみる。一方で、春先に爆発的な緑に包まれていた山や森を魔法のように紅葉で赤く染める自然の圧倒的な『どんでん』のエネルギーに怖さすら感じてしまう。
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南アルプス 2017/08/26 18:32 SIGMA DP3 Merrill |
★昼間、木漏れ日に包まれ、清流の音に包まれていた気持いい河原が、日が沈んだ途端、気配が豹変する。暗くなって視界を遮られ、川の流れの轟音によって聴覚を奪われ外界の情報が激減する。心地よかった川のせせらぎは、闇夜の魔界の岩門が開く轟音にとってかわり、きらきらと輝いていた岩の隙間から目をぎらぎらさせたもののけがこちらの様子を伺っているように見えてくる。ほんとうは満天の星空や月明かりで照らされたランドスケープも撮影したい気持ちはやまやまなんだが、どうも日没後の単独行はいまだに苦手だ。
日没後の清里大滝の渓谷 ND8+CPL 30s f11 SIGMA DP2 Merrill |
★八ヶ岳連峰の山道を歩いていると『フジバカマ』という控えめな、、というより割と地味な花がまとまって咲いていることがあるが、そこには『アサギマダラ』という蝶がひらひらと舞っていることが多い。望遠レンズにスイッチしてカメラのファインダーで覗くと半透明の羽の色がなんとも言えない薄い青緑色で、『ナウシカ』が空を飛ぶ時に着ている服の色を連想させるのでこの蝶のことを勝手にナウシカと名付けたが、少し調べると、人の気配がしてもあまり逃げないこの蝶は、その優雅な飛び方とのんきな感じとは裏腹にとんでもなく長距離をさすらう蝶らしい。鳥のように激しい羽音を出すオオムラサキがたくましく飛ぶために花の蜜ではエネルギーが足りないのでカブトムシを蹴散らしながら樹液を吸うようになったというのに道中の休憩ポイント?の八ヶ岳でこんなにかわいい花の蜜をちょろちょろ吸ってるだけで、音もしないようにスケスケの羽をふわふわさせながら沖縄から佐渡島まで飛んでしまうなどとはとても思えない不思議なやつだった。そして、一体どうやって、北生まれか南生まれかによって旅をする方角をきちんと把握し、約4、5ヶ月の一生をかけて一度の旅をするローンレンジャーな種族がうまいこと途絶えることなく存続しているのか、想像もつかない。
『虫を見た目で判断するな』 アサギマダラ@横谷峡遊歩道 Nikon D810 70~200 |
★2台所有しているクリップオンのリングストロボがゾンビの撮影で酷使しすぎたせいか寿命を迎えそうでこのところ不調なので代替機を探していたらその後継機種SUNPAK auto16R proが最弱パワーで閃光時間が6万分の1秒というスペックを見て速攻でゲットした。(現在はすでに生産中止)大型のストロボでも6万分の1秒と謳っている機種は見たことがない印象でさっそく川に持っていった。出力を最弱の1/256にして仕方なくカメラをびちょびちょに濡らしながら撮影したものを部屋に戻りモニターで確認したら、予想どおりピタリと激しい川の流れも水しぶきも止まっていた。どのカットもアクリルのオブジェのようだった。
SUNPAK auto16R pro 出力1/256 @尾白川 1/2000s f8 SIGMA DP3 Merrill |
こんなおもしろい武器があるなら、当然、キッチンの流しもすぐにスタジオとなる。流しの底に黒いお盆をおいて水道の蛇口をひねる。あとは『止まれ』と念じながらシャッターを押すだけだ。さすがに流し4面銀レフが効きすぎてなんだかよくわからないが、ま、のんびり作戦を練るとしよう。
今年の秋はいろいろと楽しくなりそうだw
SUNPAK auto16R pro 出力1/256 1/2000s f11 SIGMA DP3 Merrill |
8.11.2017
蓼科大滝と乙女滝
小淵沢のアジトでは8月に入っても夜明け前に体が冷えてしまって慌てて毛布を取り出すこともあるというのに、山梨や長野でも昼間日の当たる場所は関東と同じような酷暑で、さすがに山の中を一人で何時間も彷徨うのは夏バテしてしまう懸念もあるので、すぐさま思いついた天然の冷蔵庫である滝つぼで涼を取るべく向かった先で、とても素晴らしい滝を二つ見つけた。秋冬にも、また楽しみなポイントが増えた。
★★★蓼科大滝
なぜか今まで行ったことのなかった有名なこの滝は、蓼科郵便局の奥にあるプール平駐車場から歩いて10分ほど。道中の苔むす森と奇怪な大木も見事だ。事前にグーグルマップで上空からの写真を確認したところ森に覆われた一帯に滝つぼの上空だけがぽつんと開けており、曇っていれば優しいトップライトがほんわりと滝つぼを照らすことが予想された。曇り狙いで訪れたら思った通りの光の状況に思わず嬉しくなった。ただ、眺めているうちに長時間露光を試してみたくなり、3日後の雨の直前の夕方に、三脚持参でゴアテックスのパーカーを着込んでのリベンジとなった。
2時間の撮影を終えて駐車場に戻りフィルターをはずそうとしたら、レンズもフィルターも真っ白に結露していることに気づいた。2時間冷蔵庫にいた状態なので当然のことだが、長袖は必携だ。駐車場にあるトイレには往路に立ち寄ることをおすすめする。
写真はクリックでフルスクリーン推奨
★★★乙女滝
こちらはほぼノーマークだった滝で、渓谷散歩のつもりだったが蓼科パークホテルの駐車場に車を停めて10分ほどの突き当たりの開けた空間にいきなり出現した。滅多に持ち歩かないワイド16〜35ミリズームを覗きながら『さすが俺』である。乙女という名前からは想像できない大迫力の大きさと大音量と水しぶきだった。滝の上手にそって足場は悪いが急な登り道があり、滝を真横から見ることが出来る。ただし、ご覧のように一歩間違うと、軽く死ねる状況なのでくれぐれもご用心を。
乙女滝から先の『マイナスイオンがやたら多い』滝めぐり散歩も軽食を取りながらのんびり往復で約3時間。歩いていると汗が吹き出るほど暑くても立ち止まって滝を眺めている時は駆け抜ける冷気のせいなのか、マイナスイオンのおかげなのかとても心静かにゆっくりできる。余裕があれば是非。(王滝からおしどり隠しの滝までの道のりが少し険しく王滝で引き返す年配の方も多かった)戻ってからの蓼科パークホテルのフロントの自販機で買ったスポーツドリンクの一気飲みがたまらなかったが、もし友人と一緒なら、このタイミングでどちらが冷えたビールを飲んでいいのか事前に協議しておかないと喧嘩になる状況なこともお忘れなくw
★★★蓼科大滝
なぜか今まで行ったことのなかった有名なこの滝は、蓼科郵便局の奥にあるプール平駐車場から歩いて10分ほど。道中の苔むす森と奇怪な大木も見事だ。事前にグーグルマップで上空からの写真を確認したところ森に覆われた一帯に滝つぼの上空だけがぽつんと開けており、曇っていれば優しいトップライトがほんわりと滝つぼを照らすことが予想された。曇り狙いで訪れたら思った通りの光の状況に思わず嬉しくなった。ただ、眺めているうちに長時間露光を試してみたくなり、3日後の雨の直前の夕方に、三脚持参でゴアテックスのパーカーを着込んでのリベンジとなった。
2時間の撮影を終えて駐車場に戻りフィルターをはずそうとしたら、レンズもフィルターも真っ白に結露していることに気づいた。2時間冷蔵庫にいた状態なので当然のことだが、長袖は必携だ。駐車場にあるトイレには往路に立ち寄ることをおすすめする。
写真はクリックでフルスクリーン推奨
SIGMA DP2 Merrill ND8+CPL f16 4sec ISO100 |
SIGMA DP2 Merrill ND8+CPL f16 10sec ISO100 |
SIGMA DP2 Merrill ND8+CPL f16 10sec ISO100 |
★★★乙女滝
こちらはほぼノーマークだった滝で、渓谷散歩のつもりだったが蓼科パークホテルの駐車場に車を停めて10分ほどの突き当たりの開けた空間にいきなり出現した。滅多に持ち歩かないワイド16〜35ミリズームを覗きながら『さすが俺』である。乙女という名前からは想像できない大迫力の大きさと大音量と水しぶきだった。滝の上手にそって足場は悪いが急な登り道があり、滝を真横から見ることが出来る。ただし、ご覧のように一歩間違うと、軽く死ねる状況なのでくれぐれもご用心を。
Nikon D810 16~35 16ミリ 16ミリでこの状況なので必然的にレンズもあっという間にびしょ濡れになる。 クールダウンには最高の場所だ。 |
Nikon D810 16~35 16ミリ |
Nikon D810 16~35 16ミリ |
iPhone |
6.23.2017
春雑感
梅雨入り宣言があったものの小淵沢では拡声器による節水を促すアナウンスがあったりで写真散歩には嬉しい日々が続いた。
新緑に太陽の光があたるとなんとも言えない黄緑に輝くのを見るのが、たまらなく気持ちいい。北欧のインテリアにもよく使われる黄緑もきっと厳しい冬を乗り越えた人々の新緑を迎えた幸せを共有しているような気がしてちょっと嬉しい。
写真はクリックでフルスクリーン推奨 SIGMA sd Quattro 24~105
ただし、6月も終わりに近づいて標高1500メートルあたりでも森に入ると蜂がぶんぶんと寄ってくることがわかった。早足で移動してもしっかり数匹が長い髪の毛の後ろで飛び回りながらついてくるし、手の甲や頰に体当たりしてくるやつもいる。あまり振り払おうとして威嚇すると命がけで刺してくる可能性もあるので、落ち着いて写真が撮れない。経験上、この手のことをなめてかかると大体痛い目に合うのでネット帽と虫除けスプレーは軽トラに常備した。
この時期、田舎に住んでいる方ならよくあることだが運転しているとアスファルトの道路を毛虫が体をもりもり動かしながら道路に見事に垂直に最短コースを横断しているのに遭遇する。軽トラは車のノーズがないので道路までよく見えるおかげで確実に踏みつけないように『おい〜』って言いながらパスするが、大型トラックがビュンビュン走る往復車線のある20号線をもりもり横断している毛虫にも何度か遭遇したことがある。もちろん自分の車では視認したら確実にパスするが、運転席が高い位置にあって太いタイヤをダブルで履いた大型トラックが双方向で行き来する20号を渡りきるのは相当の神業だと思える。彼らが一体なぜそんなことをするのか?聞いてみたいし、もし情報網があるなら『20号線はやめとけ』と教えてあげたいところだが、悲しいかないまのところできるのは『May the Force be with you』と念じるだけだ。
春になって、行く先々で、ぼろぼろの軽トラに乗っているせいなのか、小淵沢暮らしも半年経って地元ぽくなってきたのか、道を尋ねられることが増えてきた。『この辺で日帰りの温泉どこかありますか?』『この辺でおいしいお蕎麦屋さんありますか?』もちろん丁寧にお答えしているが、『ご案内します』『一緒に探しましょう』と言いたくなるようなビューティーはなかなか現れない。
新緑に太陽の光があたるとなんとも言えない黄緑に輝くのを見るのが、たまらなく気持ちいい。北欧のインテリアにもよく使われる黄緑もきっと厳しい冬を乗り越えた人々の新緑を迎えた幸せを共有しているような気がしてちょっと嬉しい。
写真はクリックでフルスクリーン推奨 SIGMA sd Quattro 24~105
ただし、6月も終わりに近づいて標高1500メートルあたりでも森に入ると蜂がぶんぶんと寄ってくることがわかった。早足で移動してもしっかり数匹が長い髪の毛の後ろで飛び回りながらついてくるし、手の甲や頰に体当たりしてくるやつもいる。あまり振り払おうとして威嚇すると命がけで刺してくる可能性もあるので、落ち着いて写真が撮れない。経験上、この手のことをなめてかかると大体痛い目に合うのでネット帽と虫除けスプレーは軽トラに常備した。
この時期、田舎に住んでいる方ならよくあることだが運転しているとアスファルトの道路を毛虫が体をもりもり動かしながら道路に見事に垂直に最短コースを横断しているのに遭遇する。軽トラは車のノーズがないので道路までよく見えるおかげで確実に踏みつけないように『おい〜』って言いながらパスするが、大型トラックがビュンビュン走る往復車線のある20号線をもりもり横断している毛虫にも何度か遭遇したことがある。もちろん自分の車では視認したら確実にパスするが、運転席が高い位置にあって太いタイヤをダブルで履いた大型トラックが双方向で行き来する20号を渡りきるのは相当の神業だと思える。彼らが一体なぜそんなことをするのか?聞いてみたいし、もし情報網があるなら『20号線はやめとけ』と教えてあげたいところだが、悲しいかないまのところできるのは『May the Force be with you』と念じるだけだ。
春になって、行く先々で、ぼろぼろの軽トラに乗っているせいなのか、小淵沢暮らしも半年経って地元ぽくなってきたのか、道を尋ねられることが増えてきた。『この辺で日帰りの温泉どこかありますか?』『この辺でおいしいお蕎麦屋さんありますか?』もちろん丁寧にお答えしているが、『ご案内します』『一緒に探しましょう』と言いたくなるようなビューティーはなかなか現れない。
こないだ親父の誕生日に簡単なドリップ式のコーヒーをプレゼントしてあげた時に、なぜか2月29日生まれの人のことを想像してしまった。4年に一度ケーキを食べるのかとか、誕生日パーティーはオリンピック並みに派手にやるのか?冗談でいつも4分の一しか歳をとらないって言ってるのかとか、そもそも親が気を効かせて出生記録を改竄したのかとか、産婦人科がコントロールして日にちをずらそうとしたのか?とかどうでもいいことを考えながら、そんなくだらないことをゆっくり妄想できるのも悪くないなとふと笑った。
いろんなことに敏感になってるというか感じる余裕ができているような気がする田舎暮らし。人との会話もあまりないせいか、日本語のスピーキングが衰えているのは間違いないだろう。それとは裏腹に文字になっている言葉や記憶の中の言葉にいろんなことを感じるようになった。どういうことかと言うと、言葉には『温度』があるということだ。フェイスブックを見ていて面白いのは知人友人達が近況等アップする時のプチドヤ顔を想像してのこともあるが、いろんな状況や内容でまさに温度もばらばらのオムニバスな言葉が並んでいることだ。人を嬉しくさせる温度が高い言葉もあるが、小さなトゲに刺さったように引っかかるのが体が冷えるような気がする温度を下げる言葉だ。『めんどくさい』『きらい』『関係ない』。。そういった類の言葉が体や脳からすこ〜〜しづつ熱を奪っていく。もちろん会話や文脈のなかで普通に使われるもので、体があったまっている時にはなんのことはないが、心静かにそれに触れると確実に体が冷えていくのだ。
日本語はむずかしい。
本格的な梅雨入りの気配で撮影日の天候判断をぎりぎりまで待つせいでぽっかり時間が空いたのをいいことに雑感などと書き始めたら収集がつかなくなってきたのでこの辺でw
6.12.2017
百花繚乱2017
あっという間に梅雨に入ってしまった。東京での撮影や打ち合わせでたびたび上京していたせいもあってなんだか慌ただしい春だった。
時々、東京で『ずっと山にいて退屈することないですか?』というようなことを聞かれることがあるが、それが実はそうでもないのだ。日が暮れればネットで映画やテレビ番組を楽しみながら写真調整をして、ウエザーニュースで山梨と長野の天気予報を眺め、日々どこでどんな花が咲き、どんな光で山が輝いているか想像して、朝起きてカーテンを開けて空を確認してiPhoneで音楽を聞きながら軽トラで太陽を追いかけ走り回って自然の姿を眺め写真を撮り、おまけに行く先々の近くの野菜売り場で一期一会の野菜たちを買ってはアジトに戻り、またパソコンを眺めながら美味しいお酒をほんの少しと野菜を頬ばる日々は、まるで東京で連日行きたい写真展や美術館を巡り武道館でアーティストが歌っているのを観に行ったり映画を観たり、シェフが腕を振るった野菜料理を食べているような。。外食することもほとんどないし、お金もガソリン代くらいしかかからないし、やってることはかなり違うんだけど、なんだか不思議な充実感があって、退屈という言葉がまったく当てはまらず写真を仕上げる時間が足りなくなるほどで、むしろちょっぴり忙しいような気がする奇妙な毎日だ。
ということで記念すべき小淵沢暮らし初春の花たちの百花繚乱2017@笛吹フルーツパーク・フィオーレ小淵沢・オオムラサキセンター・ハイジ村・南きよさと花の森・シミック八ヶ岳薬用植物園・信濃境古代蓮の池・清泉寮・富士見高原花の里etc.
(作業が追いつかず写真未調整w)
写真はクリックでフルスクリーン推奨
時々、東京で『ずっと山にいて退屈することないですか?』というようなことを聞かれることがあるが、それが実はそうでもないのだ。日が暮れればネットで映画やテレビ番組を楽しみながら写真調整をして、ウエザーニュースで山梨と長野の天気予報を眺め、日々どこでどんな花が咲き、どんな光で山が輝いているか想像して、朝起きてカーテンを開けて空を確認してiPhoneで音楽を聞きながら軽トラで太陽を追いかけ走り回って自然の姿を眺め写真を撮り、おまけに行く先々の近くの野菜売り場で一期一会の野菜たちを買ってはアジトに戻り、またパソコンを眺めながら美味しいお酒をほんの少しと野菜を頬ばる日々は、まるで東京で連日行きたい写真展や美術館を巡り武道館でアーティストが歌っているのを観に行ったり映画を観たり、シェフが腕を振るった野菜料理を食べているような。。外食することもほとんどないし、お金もガソリン代くらいしかかからないし、やってることはかなり違うんだけど、なんだか不思議な充実感があって、退屈という言葉がまったく当てはまらず写真を仕上げる時間が足りなくなるほどで、むしろちょっぴり忙しいような気がする奇妙な毎日だ。
ということで記念すべき小淵沢暮らし初春の花たちの百花繚乱2017@笛吹フルーツパーク・フィオーレ小淵沢・オオムラサキセンター・ハイジ村・南きよさと花の森・シミック八ヶ岳薬用植物園・信濃境古代蓮の池・清泉寮・富士見高原花の里etc.
(作業が追いつかず写真未調整w)
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SIGMA sd Quattro 24~105 |
5.01.2017
桜2017
小淵沢では例年よりも遅くに桜が咲いた。
そもそも、桜なんてものは春の訪れを体で感じながら視界の片隅にぼんやり捉えて心の中で嗜むくらいがちょうどいいと思っていたし、花見と称してうすら寒い桜の下で酒を飲むのは酒好きのただの言い訳くらいにしか思っていなかった。ただ、今年は自分自身にとって小淵沢の泣きそうだった初越冬を無事にクリアできたこともあり、地元の人たちが厳しい冬を乗り越えていったいどんな桜を愛でながら春の到来を受け止めてきたのかをこの目で見ておきたくて、ウエザーニュースとネットの開花情報を頼りに近所の桜の名所を積極的に追いかけた。
★わに塚の桜(一本ザクラ)
推定樹齢300年。長きに渡って自由に育ったと感じられる枝ぶりがどの角度から見てもとても力強く素晴らしい。朝方は順光で八ヶ岳、夕方は順光で富士山を狙うことができるので満開時期に天気がいいと多くの人が三脚を並べて待機している。エドヒガンザクラという種類で色濃く小さな花なので、開花したてと満開以降ではずいぶん花の色が違って見える。開花シーズンには18時半〜20時半にライトアップが行われるので、可能であれば昼時に温泉等で時間を潰す作戦で、霧に霞むかもしれない朝焼けと夕焼けに染まる富士山とライトアップされた荘厳な一本ザクラの一石三鳥がおすすめ。30年撮り続けていたり、会社の行き帰りに撮影に立ち寄るような地元カメラマンもごろごろしているので桜を眺めながら情報収集するといろいろと面白い話も聞けて楽しい。
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★実相寺の神代桜
神代桜は推定樹齢2000年。開花シーズンはさすがに混み合っている。2000回も開花を繰り返し、一体どれだけの人々に春の喜びを与え続けてきたか想像もできない。この一本の樹を存続させる叡智を持ちながら一方で自然破壊を繰り返す人類のジレンマを感じずにはいられない。そのまま妖怪になりそうな太く変形した幹とは裏腹に思ったより力強く豊かに花を咲かせていることに驚いた。NASAの宇宙実験から帰ってきたこの神代桜の種が育った桜も境内に存在する。実相寺境内にはいろんなタイプの桜が濃密にぎゅうぎゅうに詰まった感じでエネルギッシュに咲いている。もしかしたらこの土地には何か植物を活性化する秘密があるんじゃないかと思えるほどに迫力を感じた。手が届く高さにも花がたくさんあるので桜の花の写真を撮るには最高の場所かもしれない。
開花シーズンは駐車場500円 畑駐車場は400円。神代桜は日中はずっと順光なので昼前に行って、境内の周りに立ち並ぶ地元ならではの出店でほかでは食べれない軽食をとりながらゆっくり桜祭りを楽しむのがおすすめ。
★真原(さねはら)桜並木
山の中に突然出現するソメイヨシノの750メートルのトンネル。都会の桜並木よりも樹の背が高く、荒々しく枝が伸びているのが印象的。満開以降に車の窓を開けてゆっくり走るだけで桜吹雪が舞い込んできて極楽。道脇に地元の農家のマダムが並べて売ってる野菜がとても元気で安いので要チェック。中央付近の無料駐車場から桜並木を横切って山側に少しいったところに別の駐車場がありその傍に若い桜が元気に並んで咲いている畑がありそこはほとんど人がいないので人物がらみで写真を撮るにはおすすめ。
上記の三箇所は車ですぐに行ける範囲に存在しているにもかかわらず、開花時期にかなりずれがあるので、一網打尽にできないのが悲しい。開花情報は事前に確認したほうがいい。
★高遠城址公園の桜
一度見てみたかった天下第一という謳い文句の桜。
小淵沢から車で約1時間。茅野からの道も午前中は車も少なく、途中の山村の桜を目の端で楽しみながらの快適なコースだった。
公園の丘の下には無料駐車場もあるが竹下通り状態の登り参道を(できれば小さな車で)進んで正面入り口あたりの有料駐車場(700円)に止めるのが便利。公園入場料500円。タカトウコヒガンザクラという固有種の色濃く小さな花がびっしりと空を覆って、まるでピンクのフィルターをかけたような色空間だった。観光客はもちろん多いが車でのアクセスマストなので酔っ払いは見かけずとても静かで平和な空間になっていた。城址ということでピンクの鎧に身を包んだ武者たちが静かに晴れ舞台に立ち並んでいるような気配も感じて、ライトアップのための電柱の無造作な配置がいささか残念ではあったが、天下第一という謳いも偽りなしだと感じることができた。
★フィオーレ小淵沢
小淵沢のアジト至近の公園。桜の状況は中央高速道路越しに目視できるのでいつも様子を伺っていたが、今年はどうやら開花時期にかなり個体差があったようで、葉桜とつぼみが混在していたりで、ザ・満開というタイミングを逃したかもしれない。あたたかい時期はいつ行ってもいろんな花が待っていてくれるマイ公園。
『またな、桜!』と言いたいところだが、来年の桜までにはまたあの恐怖の冬を越さなければならないと思うとぞっとする。
ま、地元桜カメラマン一年生、のんびりやろう♪
そもそも、桜なんてものは春の訪れを体で感じながら視界の片隅にぼんやり捉えて心の中で嗜むくらいがちょうどいいと思っていたし、花見と称してうすら寒い桜の下で酒を飲むのは酒好きのただの言い訳くらいにしか思っていなかった。ただ、今年は自分自身にとって小淵沢の泣きそうだった初越冬を無事にクリアできたこともあり、地元の人たちが厳しい冬を乗り越えていったいどんな桜を愛でながら春の到来を受け止めてきたのかをこの目で見ておきたくて、ウエザーニュースとネットの開花情報を頼りに近所の桜の名所を積極的に追いかけた。
★わに塚の桜(一本ザクラ)
推定樹齢300年。長きに渡って自由に育ったと感じられる枝ぶりがどの角度から見てもとても力強く素晴らしい。朝方は順光で八ヶ岳、夕方は順光で富士山を狙うことができるので満開時期に天気がいいと多くの人が三脚を並べて待機している。エドヒガンザクラという種類で色濃く小さな花なので、開花したてと満開以降ではずいぶん花の色が違って見える。開花シーズンには18時半〜20時半にライトアップが行われるので、可能であれば昼時に温泉等で時間を潰す作戦で、霧に霞むかもしれない朝焼けと夕焼けに染まる富士山とライトアップされた荘厳な一本ザクラの一石三鳥がおすすめ。30年撮り続けていたり、会社の行き帰りに撮影に立ち寄るような地元カメラマンもごろごろしているので桜を眺めながら情報収集するといろいろと面白い話も聞けて楽しい。
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★実相寺の神代桜
神代桜は推定樹齢2000年。開花シーズンはさすがに混み合っている。2000回も開花を繰り返し、一体どれだけの人々に春の喜びを与え続けてきたか想像もできない。この一本の樹を存続させる叡智を持ちながら一方で自然破壊を繰り返す人類のジレンマを感じずにはいられない。そのまま妖怪になりそうな太く変形した幹とは裏腹に思ったより力強く豊かに花を咲かせていることに驚いた。NASAの宇宙実験から帰ってきたこの神代桜の種が育った桜も境内に存在する。実相寺境内にはいろんなタイプの桜が濃密にぎゅうぎゅうに詰まった感じでエネルギッシュに咲いている。もしかしたらこの土地には何か植物を活性化する秘密があるんじゃないかと思えるほどに迫力を感じた。手が届く高さにも花がたくさんあるので桜の花の写真を撮るには最高の場所かもしれない。
開花シーズンは駐車場500円 畑駐車場は400円。神代桜は日中はずっと順光なので昼前に行って、境内の周りに立ち並ぶ地元ならではの出店でほかでは食べれない軽食をとりながらゆっくり桜祭りを楽しむのがおすすめ。
★真原(さねはら)桜並木
山の中に突然出現するソメイヨシノの750メートルのトンネル。都会の桜並木よりも樹の背が高く、荒々しく枝が伸びているのが印象的。満開以降に車の窓を開けてゆっくり走るだけで桜吹雪が舞い込んできて極楽。道脇に地元の農家のマダムが並べて売ってる野菜がとても元気で安いので要チェック。中央付近の無料駐車場から桜並木を横切って山側に少しいったところに別の駐車場がありその傍に若い桜が元気に並んで咲いている畑がありそこはほとんど人がいないので人物がらみで写真を撮るにはおすすめ。
上記の三箇所は車ですぐに行ける範囲に存在しているにもかかわらず、開花時期にかなりずれがあるので、一網打尽にできないのが悲しい。開花情報は事前に確認したほうがいい。
★高遠城址公園の桜
一度見てみたかった天下第一という謳い文句の桜。
小淵沢から車で約1時間。茅野からの道も午前中は車も少なく、途中の山村の桜を目の端で楽しみながらの快適なコースだった。
公園の丘の下には無料駐車場もあるが竹下通り状態の登り参道を(できれば小さな車で)進んで正面入り口あたりの有料駐車場(700円)に止めるのが便利。公園入場料500円。タカトウコヒガンザクラという固有種の色濃く小さな花がびっしりと空を覆って、まるでピンクのフィルターをかけたような色空間だった。観光客はもちろん多いが車でのアクセスマストなので酔っ払いは見かけずとても静かで平和な空間になっていた。城址ということでピンクの鎧に身を包んだ武者たちが静かに晴れ舞台に立ち並んでいるような気配も感じて、ライトアップのための電柱の無造作な配置がいささか残念ではあったが、天下第一という謳いも偽りなしだと感じることができた。
★フィオーレ小淵沢
小淵沢のアジト至近の公園。桜の状況は中央高速道路越しに目視できるのでいつも様子を伺っていたが、今年はどうやら開花時期にかなり個体差があったようで、葉桜とつぼみが混在していたりで、ザ・満開というタイミングを逃したかもしれない。あたたかい時期はいつ行ってもいろんな花が待っていてくれるマイ公園。
『またな、桜!』と言いたいところだが、来年の桜までにはまたあの恐怖の冬を越さなければならないと思うとぞっとする。
ま、地元桜カメラマン一年生、のんびりやろう♪
3.31.2017
ようこそ、春
ようやく四月になる。
凍えた数だけ春の気配が身に沁みる、と言いたいところだが
油断した途端に今日の雪で身体が冷えて熱が出たようだ。
ま、これで身体も春ボディにリセットだ。
小淵沢での初越冬はいろいろといい経験になった。
凍えた数だけ春の気配が身に沁みる、と言いたいところだが
油断した途端に今日の雪で身体が冷えて熱が出たようだ。
ま、これで身体も春ボディにリセットだ。
小淵沢での初越冬はいろいろといい経験になった。
ようこそ、春
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