撮影で上京して部屋を空ける度に悩まされた蛇口の破裂・水道の凍結(お湯側が特にひどい)に関しても、止水・水抜きをして、排水側には不凍液を流し込むことでかなり改善された。ただ、どうしても部屋の構造上、3階角部屋でほとんど吹きさらしのような温度になっているユニットバス外側の下部を通るお風呂の給湯管がどうしても凍るようで試行錯誤の結果、蛇口の水抜きのネジ穴からストローを上手く使ってお湯を口から注ぎ込むという荒技が最も効果的なことを発見して以来、我が家の凍結はそんなに怖いものではなくなった。(念のために同じ技を使う方に注意点を2つ。ストローをくわえたまま一気に解凍されて水が吹き出てきた時には管内のサビがまとまって口に飛び込んでくるので慌てて飲み込まないようにすることと、勢いよく水が出てきて慌ててパニックで水抜き栓のねじを見失わないようにしっかり手で持って作業すること)
昼間は大型ストロボ1台3灯と35ミリデジタルと中判デジタルを二つのローリングバックで転がし肩にはスタンドとバックペーパーをぶらさげ撮影現場に向かい、夜はしこたま酒を飲み歩くというなかなかタフなフーテンのカメラマンワークのおかげで、山に戻った時は正直軽トラを運転するのもいやなほど二日酔いもあってばてていることが多い。
以前は時間が勿体無いので早朝に戻ることが多かったが酔っ払い運転を避けるために、午後に山に戻り、水道のチェックをして、仕事の写真データを確認してから、買い出しを兼ねてシグマのカメラをいくつか助手席に放り込んで原村のたてしな自由農園に安曇野の二百円わさびを買いにいくのがルーティーンとなった。
(※安曇野のわさびは、身が白っぽいもののほうが味・風味がいいということが最近わかってきた)
この時期の原村近辺の広大な雪ホリゾントと夕陽の中をドライブしながら気になったところで車を止めてカメラを覗き、雪原からもダブルで照射される太陽の光を浴びると、まるでスーパーマンが空高く舞い上がって太陽エネルギーをチャージするように、オレンジ色の光が視神経を刺激して妙な汁が脳の中で染み出し、皮膚で受けた光がそのまま体内のゲージをぐいぐい上昇させるように、それまでの体の疲れや酒やめんどくさいことが一切合切吹き飛んでいくのを感じてしまうのは、決して夕陽好き・山好きとかそういうレベルではなくて、細胞レベルで人間(もしくは動物)がそういう風にできていると確信する。
そんなわけで、あれほど疲れ果てて弱っていた自分が夕陽の写真を撮ってからは、まるで別人のように華麗にシフトレバーを弾きながら松田聖子と合唱して、3階まで階段を駆け上り、65度調整の熱いシャワーを浴び、美味しいものをほんの少し食べて、アマゾンプライムビデオで『寅さん』をBGMに写真調整をして、今夜はもう車を出すこともないと判断したら秘蔵の美味しいウイスキーを10cc舐めつつみんなのFacebookを眺めるという実に小さな幸せをかみしめていることに自分でも笑ってしまう今日この頃。。
もう2月だ。そんな幸せを邪魔する最大の敵『確定申告』が近づいてきた。昼間の順光で窓の外のカイコマと富士山を眺めながらぼちぼち領収書の整理でもしよう。
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原村自然文化園の裏の白樺林 |
まるやちこ |