ビニール傘を動かす度にカサカサと音を立てて滑り落ちる牡丹雪は、桜の細い枝にもまとわりつき、空いっぱいに舞い散る桜吹雪きのようでもあった。空は暗くなり始めて閉園の時間は気になったが、こんな雪の降り方は一期一会かもしれないと夢中で撮りまくった。案の定、4時半すぎに帰ろうとしたら、平城(ひらじろ)の門扉のような屈強な入口の扉があっさり閉じられていて少し焦ったが、門に設けられたくぐり戸の鍵は開けられていた。
夜はいつも台風のような八ヶ岳から吹き下ろす風で、サッシがすごい音を立てて寒さがつのるので早々に布団に潜り込むが、今夜はとても静かな雪のおかげでむしろ温かいせいもあり、つい夜更かしをしてしまった。
撮りたての雪の写真を見ながらのMichel PolnareffのLe Bal Des Lazeが最高に気持ち良かったからよしとしよう。
写真はクリックでフルスクリーン推奨
SIGMA DP3 Merrill