4.14.2020

清く、優しく、つつましく


昨夜の雪は膝の上まで積もっていた@車山高原 2020/04/14 14:40

宇宙船地球号の船内が新型コロナウイルスによって汚染され、世界的な緊急事態に陥ってしまった。1964年の東京オリンピックの年に生まれた身としては、再び東京でのオリンピックを迎えることを心のどこかでわくわくしながら年明けをした2020年がまさかこんな事態になるとは...

風呂入れよ
頭洗えよ
歯磨けよ
宿題やれよ
ご飯食べろよ
風邪ひくなよ
車に気をつけろよ

昭和の土曜日、飽きもせずババンババンバンバンと歌いながら説教してくれていた文言が、志村けんさんの死によって遠い記憶の中から復活し、コロナウイルスに対峙する心構えとして上書きされたことは記しておきたい。身体を清潔にし、やるべきことをやり、飯を食い、風邪をひかないように身体を冷やさない、そして番組を見て腹を抱えて笑い日曜日を楽しみによく眠る。当たり前のシンプルなことだが、これを普通にやることが個人における免疫力アップであり、ドリフターズの力技の笑いによってさらに免疫力が追加されるという実は壮大な愛が詰まった元気がでるテレビ(コンテンツ)だったような気がしている。

SNS上でコロナ関連のさまざまな個人のつぶやきを目にする。スマホで簡単に『つぶやく』行為が、実は全世界に向けて大声で叫ぶことになるという一面も忘れてはならない。世界はとても広く想像もできないような異なる環境で生きている人々も多く存在し、家族・隣人でさえ考え方・生き方の違う人間であることを理解しながら、同時代にこの星に生きる戦友同士として優しさと思いやりを持ってこの戦いに臨むべきだと思う。
SNSの発達に加えて外出制限や自粛によってストレスを抱えるせいもあり、自分の得た情報や考え方が正しいという思いが極端に強くなり、議論を持ちかけるよりも他者を誹謗中傷したりバカにするような『正義中毒』のような状態に陥ることのないよう冷静になることがこんな時だからこそ大切だと思う。
(とはいえ、すべての経済活動をしている人々が、仕事をする・しないにかかわらずじわじわと首を絞められるような未曾有の緊急事態に対する我が国のリーダーシップが、未曾有に気概とスピード感が足りないと感じたのは否めない。ミスマッチとしか思えないマスク配布、医療・保健所崩壊の危機のみならず関係金融機関の窓口をも崩壊させかねない手遅れ気味の条件付給付金、星野源氏の動画に被せた御門違いも甚だしいtweet等、ため息がとまらない)

3月中旬の東京での撮影ミッションでは、ロケハン、打ち合わせ、前日建て込みとマスクをしてヒヤヒヤしながら上京し、目に見えないコロナ弾をかいくぐりながら人混みを駆け抜け、撮影の3日前から検温をして子供モデルの控え含めて数十人は集まってしまう撮影現場にウイルスを持ち込まないようにケアするのは、なんとも経験したことのないストレスであり、当日スタジオの入り口で非接触体温計で発熱が確認された場合はどうやってミッションをクリアするべきか?スタジオの近くからアシスタントにスマホで指示を出しながらリモート撮影も辞さない覚悟までしていた。悲しいかな、原発事故以降に感じていた『空気のまずさ』が、再び別の形でやってきた。
医療現場や保健所、これから給付金の対応に追われる方々、緊急事態宣言下で物流を支えている方々、外に出て社会的な活動をしなければならないすべての方々に感謝するとともに心身の安全を祈りたい。

感染者の増加によって、世界中で今後もますます行動を制限せざるを得ない状況になっていくだろう。スペイン風邪では第2波の被害が甚大だったと言われているし、長期間にわたり蔓延したウイルスが変異して再び新たな脅威にもなりかねない。すでに、世界大恐慌という教科書でしか知らない歴史が再び深刻な規模で現実味を帯びてきたように思う。
今後無くなる職業は?などと未来を軽い気持ちで論じていた次元ではなく、この地球上では多くのことが変化していくだろう。生物の進化・退化もしかり、文化・文明も劇的な環境変化によって突然変異していくことが多いのかもしれない。
いつまで続くか誰にもわからない状況だが、決して油断せず、ステイホーム。ぐっとこらえてつつましく生き残り、このパンデミックの後の世界がどうなっていくのか見届けながら友人たちと大手を振って酒を酌み交わし少しでも笑えればと願っている。

宇宙船地球号の乗組員のみんな、
清く、優しく、つつましく、お元気で!!


追伸
今年はわに塚の一本桜のライトアップも中止。
楽しみにしていた高遠城址公園も閉鎖になってしまった。

韮崎のわに塚の一本桜と八ヶ岳 2020/04/07 16:58

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