5.04.2011

World Trade Center


アメリカ同時多発テロの約3年前、ニューヨークに自主作品を撮りに行った際、
一度は覗いておこうと思い、X線の荷物検査の観光客の列に並んで
ワールドトレードセンターの展望階と屋上を訪れた。

波打ったスチールの板で出来たオブジェクト達が、
いかにもアメリカらしい幸せそうな一角を演出していた。

そして2001年、アメリカの経済の象徴であるこの建物と、
力の象徴である国防総省とホワイトハウスがテロの標的となり、
貿易センタービルは、この展望階もろとも崩れ去ってしまった。

一昨日、テロのボスがアメリカの軍事作戦で暗殺され、
空母から水葬されたそうである。

ロイヤルキッスで盛り上がっている人々の映像と、
一人の男がアメリカという世界最強の国家に暗殺されて熱狂している国民の映像、
そして、M9の地震と津波、原発事故や原発のなんともお粗末な記者会見の映像が、
同時多発的に目に飛び込んでくる。

写真を撮ることでしか、世界との繋がりを感じられない
などと適当な言い訳をしながら、甘えて生きてきてしまったが、
今現在、とても微妙なバランスによってかろうじて成立している世界に
生きていることを強烈に意識せざるを得ない。

楽しかろうが悲しかろうが、
正しかろうが間違っていようが、
どげんかせんといかんと、どんなに頭ではわかっていても、
かくも歴史とは個々の苦悩とはおかまいなしに、進んでいってしまうものなのか。。

人類の歴史の不思議さを、ひしひしと感じるゴールデンウイークである・・・