10.24.2012

森 繁和

先週、行われていたクライマックスシリーズジャイアンツ対中日戦で
森繁和さんと落合博満さんがBSで解説をしていたことを後から知った。

前年までともに率いていた球団の大事な試合を、
このお二人に解説させるとはテレビ局も乙なことをするものである。
お二人が何を口にしたかとても興味深い。
録画しなかったことを後悔している。

森さんは、落合監督の右腕として主に投手陣をコーチしていた方である。

半年前に、森さんの書籍「参謀」の
表紙の撮影をさせて頂く幸運に恵まれた。

講談社の木所さんと打ち合わせをして、
背景はシンプルに白に決めた。
落合さんの少し前に発売されているベストセラーに負けない
シンプルで強いものというオーダーだった。
撮影場所は、霞町ちかくのイタリアンレストランの個室だった。
そんなに広くなくても平気だとは言ったものの、
部屋の真ん中の動かしようのない重く大きなテーブルを見た時は
「せまっ」とつぶやいてしまった。

迷わず椅子の後ろの壁に白いペーパーを貼って、
両サイドからバック飛ばしにストロボを立て、
物理的にしかたなくテーブルの反対側にメインのライトを立てた。
ちょうど、食事をしながら向かい合う様な間合いでのセッティングになった。
テーブルの上にはもちろん宝刀のハッセルのHを準備した。

程なく、ピンストライプのスーツを着た森さんがいらっしゃった。
やはりテレビで見るより一回りも二回りも大きな方だった。
大変、失礼かもしれないが、もし顔を知らないで
黒い車から降りてきたら、間違いなくよけてしまいそうな迫力だった。

さっそく撮影ということで、顔を拝見したら
唇が乾いていた気がしたので、飲み物を尋ねた。
そんななわけで、大きなグラスで赤ワインを傾けながらの撮影となった。

マスコミで揶揄されるような怖いイメージを持っていたが、
色付きの眼鏡のそこで優しく笑う目がとても印象的だった。
ここでは書けないような話で盛り上がりながら、
楽しく撮影させて頂いた。
一見大胆にぶっきらぼうに話しているようでいて、
実はとても繊細に言葉を選び、余計な事は決して口にしない森さんが、
選手達の人望を集めている理由がわかったような気がした。

めでたく表紙を飾った写真は、私が一押しでセレクトしたものだった。
森さんの優しさと軍師としての勢いがあると感じたものだった。
さすがの不思議な迫力に、本が発売されてから、
「レジに持って行きにくい」「怖いw」などと
WEB上でかなり話題になったようである。

発売してすぐに増刷となり売り上げも好調らしい。
野球好きな方には、とても楽しめる内容になっているので、是非。
カスタマーレビューもなかなかいい。

Amazon 「参謀」

今年はユニフォームを脱いでいた森さんだったが、
是非とも再びユニフォームを着た
軍師としての森繁和さんが見たいと思っているのは
私だけではないはずである。

ページ上左のタブのPortfolio v.2より