10.15.2011

Steve Jobs

ある日、なにげなくPCを起動してサファリを開いたら
白バックに年号が入ったSteve Jobsさんの写真が目に飛び込んできた。
弔報までもザ・アップルだった。

写真を撮りたかった人物が、また一人いなくなってしまった。

1999年に、デジタルカメラを使うために,
仕方なくG4とソニーのブラウン管モニター・フォトショップetc.
をなぜか代引きで買う際に、用意した一万円の束を床に撒いてポラロイドを撮ったのが
アップルとの付き合いの始まりだった。

人とテクノロジーを結びつけて、わくわくするような製品を次から次にリリースした
アップルの黄金時代にリアルタイムで楽しめたことはある意味貴重なことだったのかもしれない。

パソコンなんて、、インターネットなんて、、デジタルなんて、、、
などと思っていたが、気が付いたらどれも手放せないものになってしまった。

テクノロジーだけを誇張せず、
人間の感性を信じてこだわって作り上げた企業・製品・ソフトたちは
悔しいほどに我々を楽しませてくれている。
電話で写真を撮って、SNSにアップするなどという一連の行為さえも、
はたから見るとアホなことだが、いざやってみると顔には出さなくてもわくわくしてしまう。

新型iPhone4Sの発売直前に亡くなるというのは、
ほんとうに悔しかったと思う。
世界一の企業を率いて、世界一の金持ちでも癌という病気には勝てなかったというのも
不謹慎かもしれないが、人間の生き方こそを大切に考えた彼の哲学・生き様を
表しているようにも思える。
ただ、あと20年、いやせめてあと10年くらいはiシリーズがどんなものになっていくのか?
見せて欲しかったと心から思う。
御自身の死を意識したのは2度目だっただけに、
アップルという会社のその後や、多岐にわたる準備は相当のものがあったのでは
と想像するのは難しくない。

新型のiPhone4SにはSiriという簡単な人工知能ともいうべき
会話機能がインストールされているらしい。
(現状では日本語には対応していない)
真偽の程は定かではないが、
どうやらそのSiriに彼の人格が反映されているのではないか?という話をWEB上で見つけた。
私が彼の立場だったら、きっとそうするかもしれない。
そしてその後の商品開発においても、自らの魂をなんらかの形で
インストールし続けたいと願うのは、不思議なことではないと思う。

裏技を仕込む事だって可能だろうし、
若者が電話に向かって人生相談をすることもあるだろう。
電話を祭壇に祭る宗教団体だって出現するかもしれない。
人間は果たして、テクノロジーにおける倫理上の問題を解決することができるのか?
人工知能を使いこなす叡智を持ち合わせているのか?
こころから人間のくらしを豊かに楽しいものしようとしたジョブズさんの夢が
間違った方向に進まないことを祈るばかりである。
アップルが人類にとって再び禁断の果実になることは、
なんとしても避けなければならないと思う。

税金を払っている感覚で次から次に新製品を購入することが
どこかで彼の夢を支えているんだということもわかりやすく教えてくれた。

NHKのクローズアップ現代で孫さんも口にしていたが、
iRobotが出るあたりまでは元気にアップルを率いていて欲しかった。
早すぎる。
とにかく早すぎる死は、残念でならない。

敬意と感謝を込めて、合掌。

裏蓋の割れたiPhone4