7.15.2011

呂比須ワグナー

もう13年も前の撮影である。
雑誌Numberの「日本代表の秘密兵器」特集で、
6人の撮影を行ったときの一枚。

いきなり、日本に帰化したばかりの呂比須さんの口から
流暢な日本語で挨拶されてしまった。
いつも思うが、顔が完全に外人の方が、
普通の日本語を話されると、おもわず顔がほころんでしまう。

選手それぞれ、秘密兵器としての必殺の一枚を狙う指令を受けていた。
挨拶もそこそこに、ボールを蹴ってもらう事は可能かどうかお尋ねすると、
ぜんぜん乗る気で撮影に臨んでいただけそうだったので、
まよわずワイドズームをガシッと広角側に振り切って、
グランドにうつぶせになって、カメラぎりぎりにボールを蹴ってくれとお願いした。

「カメラ蹴らないで下さいね」というと、
おどけてカメラを蹴るふりをしながら、
「オッケー」と笑って、何度も力強くボールを蹴ってくれた。
カメラとボールと足が紙一重の迫力のある一枚を撮影することが出来た。

現在はブラジルのパウリスタFCで監督をなさっている呂比須ワグナーさんである。

Canon EOS1N 17~35ミリ ネガ

一昨日、女子ワールドカップで日本代表が決勝進出を決めた。
家に遊びに来てくれたこともある澤さんが活躍される試合を見逃すわけにはいかない。

素早いパス回し。
後半になってもまるで始まったばかりのようにボールに向かうタフな姿勢。
最終ラインからなのに、なぜかパスのように繋がるロングボール。

「苦しいときは、私の背中を見て・・・」
という澤さんの男でもなかなか言えない言葉は、
素晴らしいチーム力を生み出し、
日本女子サッカーはドイツのグランドで輝いていた。

「ぶっちゃけ日本の男子よりも、うまくねえか?」
「なんか、チームサッカーとしては女子のほうが一枚上手?」

時々、紛争を抱えている国が国際スポーツで活躍しているのを見ると
不思議な気持ちになっていたが、
現在、日本は外から見れば地震の大被害に加えて
放射能舞い散る国でもある。
世界中にとんでもない希望を与えることになる。

是非18日の決勝でアメリカを破って「歴史」を作って頂きたい!

日本でも日の丸を車からなびかせて、車のホーンが鳴り響くのが楽しみである。

フランスワールドカップ1998@フランクフルト
Leica M6 28ミリ トライX